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開幕から中日の4番を打つ石川昂弥は3三振に加えて守りでもファウルフライをお見合いするミス(写真・黒田史夫)
開幕から中日の4番を打つ石川昂弥は3三振に加えて守りでもファウルフライをお見合いするミス(写真・黒田史夫)

「中日が弱いのは井上監督の采配うんぬん以前にフロントの失敗」エース高橋先発もミスと三振のオンパレードで阪神に3-6で負け甲子園11連敗のドラゴンズに球界大御所がモノ申す

 中日が11日、甲子園で阪神に3-6で逆転負けを喫して2連敗、甲子園での連敗が11に伸びた。1回に上林誠知(29)の1号2ランで先制したが、先発の高橋宏斗(22)がその裏に5連打で4点を奪われて逆転された。6回、8回と2度も三者連続三振を喫するなど12三振。巨人OBで西武、ヤクルトで監督を務めた球界大御所の広岡達朗氏(93)は、「中日が弱いのは監督の采配うんぬん以前にフロントの失敗」と、厳しく指摘した。

 エースの高橋が背信の5失点&打線は12三振

 中日が鬼門の甲子園でまたしても苦杯をなめた。立浪和義監督が指揮を執った昨季は、11試合で0勝10敗1分。23年9月27日以来、勝ち星がない。
 球界大御所の広岡氏は「弱いチームの典型だ」と厳しく指摘した。
「まだ一巡目の戦いが終わっていないが、中日はAクラスに入るには戦力的にかなりしんどい。加えて、ミスが多く、一人一人が最低限の役割、チーム貢献のプレーができていない」
 エースの高橋がまたしても勝てなかった。
 阪神の2戦2勝、防御率0.57と絶好調の村上に対して1回に岡林が中前打で出塁、2番の山本には、バスターエンドランを仕掛けてさせて失敗したが、続く上林がライトポール際に低い弾道のライナーで先制の1号2ランを放った。高橋の実力からすれば、十分の援護点だったはずが、その裏に逆転を許す。一死を取ってから中野、佐藤、森下、大山、前川に長短打の5連打を浴びて4点を献上したのである。
 佐藤、森下、大山には、3人続けて2ストライクと追い込んでからのフォークを仕留められた。森下への1球は落ちていたが、佐藤、大山へのフォークは抜けたボールで甘く真ん中のゾーンに入っていた。フォークが落ちなかった理由にメカニズムの問題もあるのかもしれないが、立ち上がりに制球に不安のあるフォークを勝負球に続けて使った加藤のリードにも問題があった。開幕戦は、木下がマスクをかぶり、好投した4日のヤクルト戦、そしてこの日の阪神戦と続けて加藤とコンビを組んだが、洞察力に欠けていた。前川には、外角高めのストレートをレフト線に運ばれた。前川は、高目をファウルにせず打てる技術のある選手だが、151キロがマークされていたものの高橋のストレートには球威が欠けていた。さらにクッションボールの処理に上林が戸惑い、大山の生還まで許してしまった。これが広岡氏が指摘したミスのひとつだろう。
 3回には二死から木浪のファウルゾーンに飛んだ打球を石川と村松がお見合いをして間に落とすというボーンヘッドもあった。高橋はベンチに歩いて戻りかけていた。三振に打ち取ったものの、チームの自信や積極性のなさを象徴するミスとなった。広岡氏が「チーム貢献ができていない」と指摘したのは、3回の攻撃である。
 先頭の高橋がセンター前ヒットで出塁し、続く岡林の打席で、村上が投じたワンバウンドが、坂本のプロテクターの中に入るという、珍事が起きて、テイクワンベース。無死二塁としたが、岡林はセンターフライに倒れた。最低でも進塁打を打ち一死三塁にしておかねばならないケース。続く山本は、見逃せばボールの悪球に手を出して三邪飛、上林のバットも外角ストレートに空を切った。
 井上監督の采配にも疑問がついた。 
 2-5の3点差で迎えた5回に先頭の村松が死球で出塁すると加藤に送りバントのサイン。続く代打カリステが二塁打を放ち、1点を返したが、ベンチの消極性を示すシーンだった。もう高橋を降板させるのだから代打攻勢で良かっただろう。
 6回は及川の前に石川、新外国人で来日初スタメンとなったボスラー、細川が三者連続の空振りの三振。8回にも石井から上林、石川、ボスラーが三者連続の空振りの三振。チームの三振は12個。しかも、4番の石川は3三振、5番のボスラーが2三振、6番の細川は3三振で、揃ってノーヒットに終わっていた。
 日刊スポーツの報道によると、試合後に井上監督は「オレも我慢をしてはきたけれども、明日ぐらいからテコ入れをしようかなと思います」と明かし、開幕から批判を受けながらも4番を動かさなかった石川の打順降格を示唆したという。
 石川は打率.160、0本塁打、3打点、OPS.392、細川は打率.158、1本塁打、3打点、OPS.572である。

 

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