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開幕から中日の4番を打つ石川昂弥は3三振に加えて守りでもファウルフライをお見合いするミス(写真・黒田史夫)
開幕から中日の4番を打つ石川昂弥は3三振に加えて守りでもファウルフライをお見合いするミス(写真・黒田史夫)

「中日が弱いのは井上監督の采配うんぬん以前にフロントの失敗」エース高橋先発もミスと三振のオンパレードで阪神に3-6で負け甲子園11連敗のドラゴンズに球界大御所がモノ申す

 しかし、広岡氏は「もう少し我慢すべきだ」と提言した。
「石川以外に4番に適した選手がいないのであれば、誰が打っても大差はない。我慢して使ってやらねば育たない」
 井上監督は、開幕前に「4番は(石川)昂弥でいく。僕の信念、我慢比べ」との覚悟を口にしていた。
「井上の4番固定宣言が、逆にプレッシャーとなり、石川はひとりでしょいこんでいるように見える。かなりメンタル的にはしんどいのだろう。こういう時こそ、それをみんなでカバーしてやればいい。中田は何をしているんだ?」
 左脇腹を痛めて開幕に間に合わなかった新外国人のボスラーが昇格してきて「1塁・5番」でスタメン出場したため、中田はベンチスタートとなり、7回に一死一塁で代打で起用されたが、センターフライに終わっていた。
 そして広岡氏は、こう指摘した。
「中日が弱いのは、監督の采配うんぬんの問題ではないだろう。投手力は整備されているのに主力になる野手が育ってきていない。ハッキリ言ってフロントが中、長期のチーム作りに失敗している。フロントに、野球のわかるしっかりとしたGM的な人間が必要だと思う」
 中日は、落合監督、落合GM時代に高校生に目を向けずに社会人を軸とした偏ったドラフトを続けてきたため、選手の年齢やポジションのバランスを欠き、中長期の強化計画に大きな影響を及ぼした。立浪監督時代には、二遊間を3年間で7人も指名したが、それもそこまでのドラフト戦略の歪から、そうせざるを得なかったという事情もあった。昨年オフのドラフトでは育成も含めて高校生を5人獲得した。
 井上監督もRONSPOの独占取材に対してこう言及していた。
「中日は将来性を考えたドラフトのできていなかった時期がある。落合さんの時代です。そのひずみ、しわ寄せが、長くBクラスに低迷していることにつながってもいるんです。これからは高校生は最低2人は押さえていかなきゃいけないでしょう」
 だが、ペナントレースはまだ始まったばかりである。
 広岡氏が言う。
「ペナントレースをトータルで見れば、戦力のある巨人、阪神、横浜DeNAの争いになるのだろうが、チームの士気が上がればチームに勢いをつけることができる。そのためには、まず全員がミスなく、チームのためにやるべきことをやること。それがチームの結束力を高めることになる。選手を教えるコーチの役割も重要。井上は、まずコーチがちゃんと教えているかどうかに目配せすべし」
 今日12日の第2戦に中日は2戦1勝1敗、防御率1.50の左腕松葉を先発に立てて阪神は西勇輝が今季初登板。井上竜は甲子園での連敗をストップできるのか。
(文責・駒沢悟/スポーツライター)

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