
「晒し投げって正気か?」「あえて続投させたのは理解できる」巨人戸郷翔征を10失点まで続投させた阿部采配にSNSで賛否
巨人の開幕投手を務めた戸郷翔征(25)が11日、マツダスタジアムでの広島戦に先発したが、10安打、10失点の大乱調で、今季未勝利のまま2敗目を喫して、ファーム調整が決定した。チームは3-12で大敗した。Xでトレンド入りしたのが「晒し投げ」。阿部慎之助監督(46)が4回に広島打線につかまった戸郷をなかなか降板させなかった采配についてSNSでは賛否が飛び交った。
2つ目のアウトが取れず打者一巡のサッドバック状態
開幕投手を務めた戸郷がマツダスタジアムのマウンドで大炎上した。
2-3で迎えた4回だ。先頭のファビアンに左前打を許し、菊池に四球を与えて無死一、二塁のピンチを背負う。広島は森下にバントのサイン。一塁側に転がったバントを猛ダッシュしてきた岡本が三塁封殺をを狙ったが、転倒してしまうほどバランスを崩して送球が大きくそれた。その間にファビアンが生還した。
さらに會澤翼に四球を与えて無死満塁となり、田村にど真ん中に投じた147キロのストレートをセンター前へ弾き返されて2点目を献上し、2-5となった。
もう戸郷は限界だったが、阿部監督は動かない。
矢野を迎えて内野は前進守備。矢野をショートゴロに打ち取り、本塁で封殺して追加点を食い止めたが、続く小園にまたしてもインハイに投じた146キロのストレートを打ち返され、ライトの頭上を越えていく2点タイムリー二塁打となった。
現役時代にタイトル獲得経験のある評論家の一人は、「本来なら、さすがにここで交代でしょう。でも阿部監督は開幕投手に指名した戸郷だからこそ、あえて責任をまっとうさせるために続投させたんだと思う。しかも5回の表は戸郷に打順が回ってくる」と分析した。
5点差となり4番の末包を迎えても阿部監督は動かない。
戸郷は、2回にも3失点するなど異変が起きていた。
ボールが走らない。最速は150キロを1球も越えなかった。小園にインハイのストレートをライトオーバーされたのが、その不調の象徴だろう。ストレートでファウルが取れず、ウイニングショットであるフォークも簡単に見極められた。
甲斐がカーブとスライダーを使う配球で、立ち直らせようとしていたが、もはやカープ打線の勢いを止めるモノを戸郷は持ち合わせていなかった。
そんな戸郷の続投は「試合を捨てた」と批判されても仕方はなかった。
末包、野間に連打を浴びて、スコアボードに7点が刻まれる。
もはや完全なサンドバック状態。
打者が一巡してファビアンに2本目のヒットを浴びたところで、ようやく阿部監督がベンチを出て、甲斐の肩に手を回して、何やら話かけて後に、マウンドで戸郷の肩をポンと叩き、交代を告げたのである。
106球を投げて10安打10失点(自責9)。
バトンを渡した泉の投球をベンチで見守る戸郷は涙目だった。
SNSでは10失点するまで戸郷を代えなかった阿部監督の采配に賛否が飛び交った。Xのスポーツ部門トレンドに「晒し投げ」というワードが入った。