
米メディアが佐々木朗希のストライク率62%5回1失点好投に「これまでで最高の投球」「シャープにコマンド改善」とまた“手のひら返し”…“史上最悪”0-16敗戦にもロバーツ監督「希望の光」
ドジャースの佐々木朗希(23)が12日(日本時間13日)、本拠地でのカブス戦で今季4度目の先発、メジャー最長の5回81球を投げ、4安打1失点3奪三振2四球の好投を見せたが、2番手、3番手の救援陣が大炎上して0-16のスコアで、佐々木にメジャー初黒星がついた。ストライク率は62%に向上。米メディアはまたしても手のひら返しでロサンゼルスタイムズ紙が「これまでで最高の投球」と伝えるなど、称賛の言葉を並べ、「史上最悪の本拠地大差完封負け」のゲームの中でデーブ・ロバーツ監督(52)は「この夜の希望の光だった」と評価した。
あわや満塁弾をパヘスの超美技に助けられる
「本当に助かりましたし、あのプレーがなかったらもっと大量失点だったと思う」
米YouTube「ドジャーブルー」に佐々木がこう振り返ったのは3回だ。
ヒットに2つの四球が絡み一死満塁で、まず鈴木誠也を迎えた。
センターへ抜けそうなライナーは、べースの後ろを守っていたトミー・エドマンのポジショニングに助けられたが、続く4番のマイケル・ブッシュには、ストレートを完璧に捉えられた。ブッシュには、2回に157.7キロのストレートを左中間スタンドの最前列に運ばれるメジャー初被弾を浴びていた。高く舞い上がった打球はバックスクリーンへ。 だが、フェンスに張り付いたセンターのアンディ・パヘスがジャンプ一番、確かにオーバーフェンスしていた打球をグラブの先っぽでキャッチしたのである。あわやグランドスラムの大ピンチを救われた佐々木は、マウンド上でグラブを叩く拍手で感謝の意を示した。
4回にも一死からジャスティン・ターナーのライト線を抜けていきそうな飛球をテオスカー・ヘルナンデスが好捕。佐々木はバックの守りに助けられた。
5回には、一死からカーソン・ケリー、イアン・ハップに連打を許したが、カイル・タッカーをスプリットで三塁邪飛、手首の違和感を訴えた鈴木に代わる代打ミゲル・アヤマもスプリットでレフトフライに打ち取り、メジャー最長となる5イニングを被弾1本による1失点だけにまとめてマウンドを降りた。
だが、2番手のベン・カスペリアスが6失点と炎上、さらに3番手のルイス・ガルシアも5失点。ロバーツ監督は、ゲームをあきらめ、8回からは野手のミゲル・ロハスをマウンドに送る始末。ロハスは、山本由伸やクレイトン・カーショー、佐々木の物まねを披露して、ファンサービスし、佐々木も「100点でした」と満点をつけたが、佐々木は、待望の初勝利は手にできずに負け投手となった。
それでも81球中50球がストライクと課題の制球力が2試合続けて向上。打者5人に0-2とストライクが先行した。最速は158.2キロ。奪った三振は3つだけだったがすべてスプリット。特に4回以降は、スプリットを制御できていた。MLB公式サイトによると投球の25%を占め、そのうち50%にあたる8球で空振りを取った。
佐々木も、試合後に、こう手応えを口にした。
「初回の立ち上がりや最初の方は不安定なところもあったが、他はいいテンポ、いい制球で投げられたところもあった。崩れなくてよかった。今日までの3試合でイニングを稼げなかったので、その面ではよかった。段階的にはいい方向に来ていると思うし、ここが最低限になるように頑張らないとなという気持ちです」
東京シリーズでのカブス戦、本拠地での初登板となったタイガース戦での制球難を厳しく叩いてきた米メディアは、またしても“手のひら返し”。ロサンゼルスタイムズ紙は、「佐々木がまた一歩前進するも、ドジャースの攻撃陣は醜い敗戦で後退」との見出しを取り、「これまでで最高の投球を見せた」「正しい方向へ一歩踏み出した記憶は残った」と絶賛した。