
「彼がやったことは本当にバカバカしい」角田裕毅がレッドブル2戦目で執念の9位入賞も30周目で接触したサインツが激怒「コントロールの欠如で私のレースを犠牲した」
F1バーレーンGPの決勝が13日(日本時間14日)に当地で行われ、レッドブルの角田裕毅(24)が9位に入り、緊急昇格後、第2戦で初の入賞を果たし2ポイントを獲得した。10番グリッドでスタートした角田はレース序盤にピットトラブルに見舞われ、中盤にはウィリアムズのカルロス・サインツ(30、スペイン)と接触。マシンの一部を破損しながら執念の走りを披露したが、途中リタイアとなったサインツが「彼のコントロール欠如で私のレースを犠牲にした。スチュワード(審議委員)は、ユウキを調査すべきだ」と激怒するなど問題も残した。
2度のトラブルを乗り越えてポイントゲットも
2度のトラブルをはねのけて角田が執念の9位入賞を果たした。
10番手でスタートした角田は、9周目で9番手スタートのサインツをオーバーテイク。9位へ浮上すると、他車が複数ピットピンした12周目には一時は6位にまで順位を上げるなど快調な走りを見せた。
しかし、11周終了時に初めてピットインし、タイヤをソフトからミディアムに変えた直後に、想定外のトラブルに見舞われた。
タイヤ交換そのものはスムーズに終わった。しかし、チームスタッフが掲げた信号機が進めを示すグリーンに変わらず、発進までに約2秒もの時間を失う事態が発生。序盤から僅差の大混戦が続いていたレースで、大きく順位を落としてしまった。
実は角田の直前にフェルスタッペンが初めてピットインした際にも、まったく同じトラブルが発生していた。強豪チームの一角を占めるレッドブルらしからぬミスが繰り返された事態を、英国の放送局『sky sports』はこう報じた。
「マックス・フェルスタッペンと角田裕毅は、ピットレーンで貴重な秒数を失ってしまった。彼らは当然のように、フラストレーションを募らせている」
英国のF1専門メディアの『GPFans』によれば、角田は無線を介して、約2秒間のロスをガレージへこう伝えていたという。
「なぜか黄色が点滅したままだったんだ。何てことだ」
しかし、予想もしなかった事態を、角田は執念ではねのけた。
粘り強い走りで徐々に順位を上げていく。入賞となる10位以内を争っていた30周目には、サインツに内側から追い抜かれた際にマシンが接触。角田のマシン、RB21の左リヤウイングの一部が破損し、その後にサインツのマシンからもデブリが飛び散った状況を受けて、32周目にセーフティカーが入った。
英国のモータースポーツ専門メディアの『TOTAL MOTORSPORT』は、角田とサインツが接触したシーンを次のように報じている。
「カルロス・サインツがターン1に突進し、それが来るのを見た角田裕毅がスイッチバックディフェンスを狙った。しかし、レッドブルのマシンがオーバーステアしてしまった結果、ウィリアムズのマシンへ必要以上にスライドして彼らは接触してしまった。フロアの損傷は、この世代のF1マシンに必要なものではないはずなのだが」