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WBC世界バンタム級王者の中谷潤人がWOWOWでの番組収録後に井上尚弥戦について語った
WBC世界バンタム級王者の中谷潤人がWOWOWでの番組収録後に井上尚弥戦について語った

記者が聞いた「今井上尚弥と戦って勝算はあるのか?」の愚問に中谷潤人が「見えていない」と答えた理由とは?…ドネア、ネリ、タパレスとの“モンスター前哨戦”にも興味示さず

 世界戦に照準を絞っているWBOアジアパシフィック・バンタム級王者の那須川天心(帝拳)が、武居由樹(大橋)に判定負けし、WBO世界バンタム級王座を失ったジェイソン・モロニー(豪州)との戦いに判定勝利して、世間の武居との比較論を喚起したように、中谷とかつてモンスターと戦った相手とのマッチメイクには興行的な妙味がある。
 昨年5月に東京ドームで井上から1回にダウンを奪いながら、6回TKO負けを喫した“悪童”ルイス・ネリ(メキシコ)は、母国で亀田京之介(TMK)を倒して再起戦を飾り、2023年12月にWBA&IBFのスーパーバンタム級のベルトを10回TKO負けで井上に奪われたマーロン・タパレス(フィリピン)も、すでに昨年5月、9月と連勝。現在WBC2位、IBF3位、WBA5位にランクされているタパレスは、今月27日にジョンジョン・ジェット(インドネシア)と対戦する予定が組まれている。 
 中谷に2人の名前をぶつけてみたが、「ストーリー的にはいいですが、井上選手は右(構え)。右とやりたいという考えがある。もちろんサウスポーでもファイターなんで戦います」と、拒否はしないが、それほど乗り気ではなかった。
 ネリとタパレスはサウスポー。盛り上がりは作れても“仮想井上”とはならない。
「(井上戦が)最終目標ではない。(最終目標への)過程で井上選手という大きい選手がいる。体を作り、感覚を上げていかなくちゃいけない。だから右とできたらいいという感覚がある」
 中谷が抱く最終目標とは、日本人では、井上しか到達したことのない、米リング誌が定めるパウンド・フォー・パウンドランキングの1位(現在は8位)であり、複数階級の制覇である。
「ライト級は想定していない。スーパーフェザー級がベストなのかなと」
 WBO世界フライ級王者からスタートした中谷は、現在、3階級制覇王者だが、井上の持つスーパーバンタム級の4つのベルトに挑んで4階級、その後、フェザー級、スーパーフェザー級と、過去世界でもマニー・パッキャオ(フィリピン)と、オスカー・デラホーヤ(米国)の2人しか達成していない6階級制覇を「最終目標」のひとつに掲げた。
「今でもスーパーフェザー級やライト級の選手とのスパーリングが多い。より工夫が必要になるが、あとは成長で体がどれだけ大きくなっていくかもある。無理してまではやることはない。成長しながらいいパフォーマンスができるところで戦っていきたい」
 中谷のフレームから見れば決して不可能な目標ではないだろう。

 

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