
なぜ横浜DeNAバウアーは巨人に通用しないのか…「サインにクビを振るシーンが目立つ」岡本和真に2打席連続本塁打を浴びるなど5失点…2年前も3発被弾で7失点
2年ぶりに横浜DeNAに復帰したサイ・ヤング賞投手のトレーバー・バウアー(34)が16日、東京ドームでの巨人戦に先発したが、岡本和真(28)に2打席連続の一発を浴びるなど5回で7安打5失点して今季2敗目。2023年8月25日の中日戦以来となる日本での復帰勝利は、お預けとなった。バウアーの巨人戦登板は2年前には一度しかなかったが、その時も3発を被弾するなど7失点KOされた。なぜバウアーは巨人に通用しないのか。
クイック投法が岡本に通用せず
バウアーにとって巨人は天敵なのか。
復帰2度目の登板となった11日のヤクルト戦で3回、37球を投げたが雨でノーゲーム。バウアーは中4日で、初めて体験する東京ドームのマウンドに上がり、その立ち上がりにいきなり巨人打線につかまった。
先頭の泉口に四球。巨人の「機動力を使って揺さぶる」対策が気になったのか、バウアーは2番の甲斐を迎えると、牽制球を投げた。巨人ベンチは強硬策。甲斐には初球のスライダーを引っ張られて三遊間を破られた。走塁への意識づけをしている巨人は泉口が三塁を陥れた。
続く吉川にはナックルカーブを3球続けた。吉川は、落差のあるそのボールの初球には、空振りしたが、明らかなボールとなった2球目は見送り、3球目は崩されながらも、バットでうまく拾ってライト前への先制タイムリーとした。
現役時代にタイトル経験のある評論家の一人は、「バウアーと来日初めてコンビを組んだ戸柱との息があっていなかった」と指摘した。
「初球にバウアーは3度クビを振ってナックルカーブ。3球目も3度クビを振ってそのボールを選択した。この3球目のクビの振り方は偽装にも見えたが、おそらくバウアーが自分で投げたいボールを選択した。日本の野球で3球同じ球種を投げると、さすがに対応される。このあたりのバッテリー間のコミュニケーションにも問題があったと思う。とにかく、この試合ではクビを振るシーンが目立った。そして巨人が積極的に走ってきたこともジワジワとバウアーを追い詰めた」
さらに巨人は甲斐が好走塁で三塁まで走り、またしても無死一、三塁の得点機につなげた。横浜DeNAの内野は下がって1点OKの併殺狙い。岡本のショートゴロの間に甲斐が生還した。そして巨人は、吉川にスタートを切らせていた。バウアーへの揺さぶりと併殺を阻止するための策。これも巨人の細かな戦略だった。大城の左前打で一死一、三塁とした巨人は、続くオコエは初球にセーフティスクイズ。見送ればボールの高めのストレートをキャッチャーへのファウルフライにしてしまって失敗したが、横浜DeNAバッテリーは無警戒だった。
そして3回一死からは岡本に手痛い一発をバックスクリーンの左に放り込まれた。カウント0―1からバウアーはクイックでスライダーを投じたが、タイミングを外すはずが、逆にピタリと合った。
5回には二死から吉川に右中間を破る二塁打を浴びた直後に、岡本を打席に迎え、また戸柱のサインに3度クビを振った後の2球目の155キロのストレートをレフトポール際に運ばれた。5号2ランで5失点。
スポーツ各紙に報道によると、バウアーは、「今日の試合で1番良くない球と2番目に良くない球が行ってしまった。岡本選手は素晴らしいバッター。完全に自分の投げミスだと思う」とコントロールミスを嘆いたという。
バウアーを援護しなければならなかった打線も開幕から23イニング無失点を続けた山崎の前に沈黙。バウアーが2敗目を喫した。
バウアーの巨人戦登板がこれが2度目。2年前は1試合しか投げていなかったが、5月9日に新潟で対戦して、岡本、大城、門脇に本塁打を打たれて、7失点(自責6)KOされていた。岡本には2試合で3本の本塁打を許したことになる。よほど波長が合うのだろう。