
なぜ横浜DeNAバウアーは巨人に通用しないのか…「サインにクビを振るシーンが目立つ」岡本和真に2打席連続本塁打を浴びるなど5失点…2年前も3発被弾で7失点
なぜバウアーは巨人に通用しないのか。
前出の評論家は3つの原因を指摘した。
「メジャーリーガーは、4月は球数を少なく制限して、ウォームアップの期間にしている。2年前も来日が遅れて、5月はまだ本調子には程遠い状態で、日本野球にも慣れていなかった。今回もまだ3試合目の登板で、しかも初登板後に登録を抹消されていた。調子が上がっていない状態で巨人と対戦しているということもあると思う」
バウアーは開幕第2戦となる3月29日の中日戦に今季初先発して、6回で6安打8奪三振1失点の好投を見せたが、打線の援護がなく負け投手となり、その後、上半身のコンディション不良で登録を抹消されていた。
もうひとつの原因は、投球スタイルの変化だ。
「岡本にホームランを打たれた155キロのストレートが、この日の最速で、しかも逆球でシュート回転していた。2年前に比べて2、3キロは球速が落ちているし、ストレートの質も驚くほどよくない。おそらくスピン量も落ちているのではないか。クイックを多用してタイミングを外そうとしているが、岡本に打たれたようにクイックで変化球を投げても差し込まれないし効果は薄い。巨人はオープン戦から、そのデータをとっていて、どの打者も準備していた。ストライクゾーンで勝負して力で押そうとしない技巧派のバウアーは怖くない。さらに、この日は、変化球の制球力も落ちていた」
そして3つ目はクセの問題だ。
今季から巨人には、前オイシックス監督で、故・野村克也氏の薫陶を受けて、データ分析やクセ盗みに長けている“職人”橋上秀樹氏が戦略作戦コーチとしてスタッフに加わりスコアラー登録でベンチに入っている。
前出の評論家は、「2年前にバウアーは10勝しているが、ある変化球にはクセが出ていたとも言われていた。もしかしたら巨人はそこを盗んでいるのかもしれない」と推測した。
このクセがバレている問題について、三浦監督は否定しているようだが、精神状態がイライラすればするほど、直したはずのクセは出るものなのだ。
ただまだバウアーは公式には2度先発したに過ぎない。出来上がりでいえば70%ほどだろう。
前出の評論家も「今後ストレートの出力がアップし、変化球の制球力を取り戻し、クセの修正やバッテリー間のコミュニケ―ションが深まってくればその実力が発揮されるだろう」と見ている。
バウアーは、復帰会見で「沢村賞と優勝」という2つの目標を掲げていた。コンディションに問題がなければ、次回登板は22日からの本拠地での阪神3連戦が有力視されている。