
「ガスリーよりツノダに責任がある」レッドブル角田裕毅が“元盟友”とのクラッシュで無念のリタイア…ガスリーは「彼に悪意はなかった」とかばうも海外メディアからは批判の声
F1の今季第5戦、サウジアラビアGP決勝が20日(日本時間21日)にジェッダで行われ、8番グリッドでスタートしたレッドブルの角田裕毅(24)は、1周目で後続のアルピーヌのピエール・ガスリー(29、フランス)と接触するアクシデントがあり無念のリタイアとなった。角田は「正直、僕に何ができたかのはわからない」と両者に非のないレーシングインシデントを主張し、ガスリーも「彼に悪意はなかった」とがばったが、英BBCなど一部の海外メディアは角田の責任を指摘した。
壁に衝突「外に避けると別のクラッシュの危険もあった」
オープニングラップでいきなり悪夢が待っていた。
レッドブルへ緊急昇格して3戦目で最高位の8番手でスタートした角田が、第4コーナーへ差しかかった直後。外側から強引に追い抜きにかかってきた、9番手スタートのガスリーのマシンと接触して、ともに第5コーナーの壁へ衝突した。
マシンの損傷が酷かったガスリーは、その場でリタイア。リアを壁に打ちつけた角田は自走して、セーフティーカーが入った状況でピットインしたものの、右のフロント部分などに負ったダメージが大きいと判断されてリタイアとなった。
角田はF1公式サイトのフラッシュインタビューで、アルファタウリ(現レーシングブルズ)時代のチームメイトで、盟友でもあるガスリーとのクラッシュについてこう語った。
「すごくトリッキーだったし、レーシングインシデントだったと僕は思っている。スペースがなくて何もできなかったし、外に避けると別のクラッシュの危険もあった。(7番グリッドの)カルロス・サインツの後ろでスピードをコントロールしていたけど、正直、あの状況で僕に何ができたかのはわからない」
前日の公式予選を終えた段階で扱いが難しいレッドブルのマシンRB21へ「プッシュすると予測できないスナップが起こり続けるので、限界に到達するのが本当に難しい」と戸惑いを見せていた角田は、こんな言葉をつけ加えた。
「今は1周でも多く(このマシンで)ラップを重ねたい時期なので、もっとレースでのラップを経験したかった。序盤でこうなってしまったのは非常に残念だ」
昇格2戦目のバーレーンGPで9位に入賞。姉妹チームのレーシングブルズから移籍後で初めてポイントを獲得し、レッドブルでの3戦目でさらに上位を目指していた角田のクラッシュを英国のスポーツチャンネル『sky sports』はこう伝えた。
「昨日の公式予選でランド・ノリスがクラッシュしたターン4で、決勝ではツノダとガスリーがクラッシュした。元F1ドライバーで『sky sports』の解説を務めるマーティン・ブランドルは、『残念ながら、これは順位争いが激しくなるオープニングラップでよく起こる事故だった』とコメントしている」
一方で英国の公共放送『BBC』は、角田に非があると指摘した。
「ツノダの外側に迫った直後に、ガスリーがわずかにアンダーステアを起こしたため、両車は接触した。マクラーレンからフォーミュラ-Eに参戦しているサム・バードは『ガスリーよりもツノダの責任のほうが大きい。他車の後部に接触すれば、ほとんどの場合で、そのドライバーの責任になるからだ』との見解を示している」