• HOME
  • 記事
  • 野球
  • マジギレか?演技か?阪神の藤川監督が広島戦での「危ない」死球に激怒した理由とは…開幕前のNHK監督座談会にあった伏線…「来い!」の“火の玉ポーズ”は“闘将”星野仙一氏に重なる!
阪神が連勝も藤川監督の異例の勝負采配が物議(写真・Imagn/ロイター/アフロ)
阪神が連勝も藤川監督の異例の勝負采配が物議(写真・Imagn/ロイター/アフロ)

マジギレか?演技か?阪神の藤川監督が広島戦での「危ない」死球に激怒した理由とは…開幕前のNHK監督座談会にあった伏線…「来い!」の“火の玉ポーズ”は“闘将”星野仙一氏に重なる!

 タジタジの新井監督は、「やっぱり勝負なんでそこは厳しく。良い打者が多いですからね」と言い訳をしつつ「バッテリーコーチには『全部外(アウトコース)へ行け』と言っておきます」と冗談でその場をなごませた。だが、広島の厳しい内角攻めを警戒していた藤川監督にしてみれば、内角を攻める意図のないスッポ抜けた変化球だったとはいえ、“司令塔”のキャッチャー坂本の頭にぶつけられた“危険な死球”を放っては、おけなかったのである。
 藤川監督の「来い!」というファイティングポーズに重なる姿があった。阪神の監督して2003年にリーグ優勝を果たし、のちにSDを務めた故・星野仙一氏だ。星野氏は、乱闘騒ぎになると激怒して度々「来い!」のジェスチャーを見せた。
 中日監督時代の1987年6月の巨人戦では、クロマティにぶつけた宮下がマウンド上でパンチを浴びるという“事件”があって大乱闘に発展。ぶつけた側の星野氏が当時、巨人の監督だった“世界”の王貞治氏に拳を見せつけて激高したこともあった。 
 これは「拳で殴ってはいかんでしょう」という意味だったそうだが、闘将で知られる星野氏は、そういう過激なシーンは、選手達の闘争心をかきたてるためにあえて演技として行っていたことを明かしている。半分はマジギレだったのだろうが、半分は「うちの監督は勝負にいく」という戦う姿をわざと見せたのである。
 今回の藤川監督の激怒がマジギレだったのか、演技だったのかはわからない。ここまで感情を見せたのは、今季の対巨人初戦(4日・東京ドーム)の7回に“満塁男”の木浪が走者一掃のタイムリーを放った場面での「よっしゃー!」という叫びとガッツポーズだけだった。常に冷静な藤川監督の怒りは、長いペナントレースを見据えて、選手の生活を守るため、「今後は許しませんよ」という広島へのメッセージを込めた演技だった可能性は高い。
 シーズンの序盤にこういうファイティングスプリットを見せておけば、広島バッテリーは、インコースの“危険な領域”を攻めにくくなる。
 初勝利のルーキー伊原にローテー入りのメドが立ち、4番の佐藤が、苦手な速いボールを逆方向に放り込み、連敗をストップして貯金を「1」に戻した。甲子園での今季2勝目は、大きな意味のある白星となった。

関連記事一覧