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5.11のマルティネスとの再戦に向けて井岡一翔が練習を公開
5.11のマルティネスとの再戦に向けて井岡一翔が練習を公開

「僕と井上尚弥とでは倒しにいくスタイルが違う」井岡一翔がWBA王者との再戦に向けて独自のスキルと戦術でのリベンジを誓う

 第1ラウンドにカウンターのボディブローが決まり、マルティネスの動きが止まった。以降マルティネスは手数は出すが、井岡のボディを警戒するようになった。3分間のラウンドの中での攻撃と防御の割り振りもうまく井岡はポイントを失っていった。井岡は、本来の出入りのボクシングをすることなく、終始足を止めて前で打ちあっていた。それらの反省を踏まえて今回は戦術を変える。
「再戦は、お互いにとって前回のデータベースがある。それを最大限に生かしてより違った所を試合で出していかないといけない。いいところは伸ばして、新しく考えていること、戦略的なことをはめこんでいきたい。心技体が揃ってそれができる。全部のバランスを考えて今回はやろうと思っています」
 井岡の円熟の距離感とステップワークを駆使したヒット&アウェーのスタイルを今回は随所に入れ込んでいく戦略だ。
 ただ出入りのボクシングを徹底して「まるで大きなサンドバッグを打っているようだった」と前回語ったマルティネスのパワーとフィジカルを生かした前進を許すことになれば、ペースを奪えないというリスクがある。ずっと動いているわけにもいかない。どこかで打ち合いも必要でそのバランスがポイントになるだろう。
 井岡は「リマッチに強い男」として知られる。
「自分ではそう思っていない」と言うが、フアン・カルロス・レベコ(アルゼンチン)、ドニー・ニエテス(フィリピン)、ジョシュア・フランコ(米国)と3度のリマッチに全勝している。最初の対戦で察知した感覚を生かした上で、準備、戦略を万全に整えるからだ。そして何よりリングの上でつかんだ距離感を13ラウンド目として利用できることが大きい。そんな井岡なら、攻守のバランスのメリハリも再戦の強みを生かしてうまくつけることができるのかもしれない。

 

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