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阪神の藤川監督が才木ー梅野のバッテリーに苦言を呈した(資料写真:Imagn/ロイター/アフロ)
阪神の藤川監督が才木ー梅野のバッテリーに苦言を呈した(資料写真:Imagn/ロイター/アフロ)

阪神の藤川監督は中日に4失点した才木―梅野バッテリーの何をどう気にくわなかったのか…バントのサインだった投手涌井へのまさかの四球からリズムを崩して連敗

 阪神が29日、バンテリンドームでの中日戦に1-4で敗れて連敗を喫した。4回に佐藤輝明(26)のリーグトップを独走する9号ソロで同点に追いつくものの先発の才木浩人(26)が5回一死一塁からバントの構えをしていた涌井秀章(38)に四球を与えたところからリズムを崩して連打を浴びて勝ち越しを許した。6回6安打4失点で今季3敗目。試合後、藤川球児監督(44)は珍しくバッテリーに苦言を呈した。

 6安打中5安打がストレートを狙われる

 痛恨の四球からゲームの流れが変わった。これが野球の怖さだろう。
 1-1の同点で迎えた5回。一死一塁から打席に涌井を迎え、中日ベンチのサインは当然バント。初球はファウル、2球目のストレートは高めに外れた。3球目もボール。4球目は一塁側へのファウルとなった。才木―梅野にすればバントを失敗させたかったのだろう。フルカウントとなって力んだボールが高めに浮いてしまった。才木はマウンド上で自分への悔しさを隠さなかった。
 一死一、二塁となって今季ここまで打点のない岡林をライトフライに打ち取って二死としたが、続く板山のインコースを突いた初球の150キロのストレートをライト線に運ばれた。勝ち越しのタイムリー二塁打。元チームメイト。昨年6月25日には倉敷で決勝打を含む猛打賞を許している相性の悪い相手でストレートに強い。試合後、板山は、「昨年も打ってましたけど、セ・リーグを代表するピッチャーでもあると思うので、本当に積極的に打ちに行こうと決めた」という話をしている。
 さらに二死二、三塁から上林にも1-1から外角低めを狙ったストレートが高さはよかったが、ボールひとつ真ん中へ入りセンター前へ弾き返された。3点差をつけられ、結局、このビハインドを挽回することができなかった。
 スポーツ各紙の報道によると藤川監督は、「本当に100%、今日のゲームに勝つためにベストを尽くせたのかということをバッテリーが自分たちで考える必要があるのではないか」と珍しく苦言を呈したという。
「リズムを崩した」涌井への四球だけではない。
 藤川監督が、示唆したのは、才木―梅野の配球だ。前監督の岡田彰布顧問が昨年再三指摘してきた問題が、まだ解消していない。
 この日、才木が中日に許したヒットは6本。木下に打たれたフォーク以外はすべてストレートだった。2回の細川に打たれた先制本塁打は初球。4回に一死からボスラーに許したライト線二塁打もボールワンからのファーストストライク。そして井上監督が、「あそこしかなかった」と振り返った5回の涌井の四球からの集中打でも板山の勝ち越しタイムリーは初球。上林もファーストストライクから振りにきてファウルになったが、全球ストレート勝負で3球目を仕留められている。
 中日の才木攻略はシンプルだった。才木は追い込んでからの被打率が.201しかない投手。2ストライクを取られて、大谷翔平から三振を奪った“宝刀”フォークに、ストレート、スライダーと用意されては歯が立たない。
「早いカウントのストレート狙い」を徹底してきた。だが、才木―梅野バッテリーは、その裏をかくことができなかった。ただ本当の内実はよくわからないが、今季の阪神は、走者が出ると野村克則バッテリーコーチが、ベンチから1球、1球、捕手にサインを送っている。それがダミーなのか、本当の指示なのかも不明だが、もしそれが配球の指示であれば、バッテリーとベンチの共同作業のはず。だが、藤川監督が、苦言を呈するのだから、バッテリーに何かしらの問題があるのだろう。

 

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