
阪神の藤川監督は中日に4失点した才木―梅野バッテリーの何をどう気にくわなかったのか…バントのサインだった投手涌井へのまさかの四球からリズムを崩して連敗
そして攻撃面でもミスはあった。
7回に先頭の大山がレフト前ヒットで出塁。続く前川の投手を襲うゴロを清水が弾いて、無死一、三塁の反撃機を作った。続く梅野は、三塁ボスラーの正面に強烈なゴロ。三塁走者の大山は、一瞬、ベースへ戻ろうと動いたが、ボスラーが前へ打球を弾いたのを見てホームへ突っ込んだ。迷わず判断したのにもかかわらず、途中、打球の行方を振り返った。回り込んで滑り込んだが、ボスラーがジャンピングスローを試みてタッチアウト。
3点差。ボスラーが打球を横や、後ろに弾いたのであればまだしも、前に弾き、一度、ベースに戻ろうとしたのであれば、自重すべき場面だった。
さらに走者は残したが続く小幡は一塁ゴロ、代打木浪もセカンドゴロに倒れて無得点に終わった。この日、ノーヒットの小幡は、5回にも無死一塁から併殺打に倒れていた。
小幡は19日の広島戦で木浪が3失策した翌日からスタメン抜擢を受けて、この日で、8試合連続のスタメン出場。その間、6連勝があり、守り重視の甲子園で4試合あったため、藤川監督が動かなかったのも理解できるが、打率は.135まで急降下している。SNSでは「藤川監督の采配こそ100%ベストを尽くしたのか」との皮肉の声もあった。バンテリンドームは人工芝。もう木浪をスタメン復帰させるタイミングなのかもしれない。
ただ敗戦の中にも明るいニュースはあった。国指定の難病「胸椎黄色じん帯骨化症」の手術を昨年8月に受けて戦線を離脱していた湯浅が、7回に2023年11月2日のオリックスとの日本シリーズ第5戦以来、544日ぶりの復活マウンドを踏んだのだ。先頭の木下にヒットを許すなど一死二塁のピンチを迎えたが、岡林を三塁ファウルフライ、板山をショートゴロに打ち取り無失点で切り抜けた。最速は150キロ。球威もフォークの精度も、まだ全盛期の状態にまでは戻っていないが、完全復活の可能性を感じさせる投球内容だった。
また4回には佐藤が涌井のインハイのストレートを捉えてライトスタンドへリーグトップを独走する同点の9号ソロを放った。月間自己最多となる8本目。力まず最短距離でバットを走らせるスタイルで、これまで弱点だったインハイ、高めのゾーンを打ち返すケースが目立つ。9本中6本がストレート。相手バッテリーの配球に“迷い”を生ませることにもつながり、今後への“布石”としても意味のある同点アーチだった。
中日、ヤクルト、巨人と続くGW9連戦の初戦を落とした。Bクラスにいる中日、ヤクルトとの対戦では貯金を作っておきたい。今日30日のマッチアップは阪神が20歳の門別、中日が36歳の大野という年の差左腕対決となっている。